Geminiの可能性を拡張する「Gem」機能とは? ~ デフォルトGemsで遊んでみたら想像以上に使えた話~

Gemini

Googleの生成AI「Gemini」に新しく登場した「Gem」機能。
聞いたことはあるけど、「結局なにができるの?」と思ってる人も多いのでは?

今回は、デフォルトで用意されたGemsをいくつか触ってみたところ、これがなかなか面白くかったです。

この記事では、

  • デフォルトGemsの使用感
  • こんなPrompt投げてみたらこう返ってきた!
  • 最後に「自分だけのGem」も作れるよという話

という流れでお届けします。


そもそも「Gem」ってなに?

ざっくり言うと、Gemは特定の目的に特化したGeminiの分身です。
たとえば以下のようなGemsが公式で提供されています:

  • 📚 アイデア出しのプロ
  • 👩‍💼キャリアアドバイザー
  • 💻 コーティングアドバイザー
  • コピーライター

特別な設定は不要で、ポチッと選んで話しかけるだけで使えます。
ちょっとしたアドバイスが欲しいときに使える「プロフェッショナル風チャットボット」という感じです。


実験1:「アイデア出しのプロ」と雑談してみた

まず、気になったのは、アイデア発想に特化したこのGem。

投げたPrompt

Z世代向けのコスメブランドを運営していて、インスタでバズる投稿ネタを考えてほしい!

まず返ってきた文章

Z世代に響くコスメのインスタ投稿、一緒にバズらせましょう!いくつか質問させてください。

  1. ターゲットとするZ世代の年齢層はどのくらいですか?(例:10代後半〜20代前半、など)
  2. ブランドのコンセプトや強みは何ですか?(例:サステナブル、高機能、トレンド感、手頃な価格、ジェンダーレスなど)
  3. 最近特に力を入れている商品や、おすすめしたい商品はありますか?
  4. 過去に反響の大きかった投稿はありますか?もしあれば、どんな内容でしたか?

これらの情報があると、よりZ世代に刺さる、共感を呼ぶような投稿ネタを考えやすくなります!✨

この返答、正直ちょっと驚きました。
いきなりアイデアをポンポン出してくるんじゃなくて、まずヒアリングから入ってくれました

「なるほど、そうくるか〜!」と感心してしまいました。
雑に「バズるネタちょうだい!」って聞いたのに、ちゃんと戦略的に考えてくれる感じ、「あ、これは、素直にすごいかも」と感じました。

ヒアリング項目に合わせて以下のようなPromptを投げ返してみます。

ターゲット層:10代後半から20代前半

ブランドの強み:サスティナブル、高機能

特に力を入れている商品:ファンデーション

過去に反響の大きかった投稿:なし

そして、ヒアリングのあとに返ってきた投稿アイデアがこちら。

「#地球にも肌にも優しいファンデ」チャレンジ🌍✨

  • 投稿内容:ファンデーションのサステナブルなポイント(リサイクル可能な容器、環境に配慮した成分など)を紹介しつつ、実際にメイクしている動画や写真を投稿。「#(ブランド名)サステナブルベースメイク」のハッシュタグをつけて、同じようにサステナブルなコスメを使っているZ世代に投稿を呼びかけます。「いいね」やコメントをしてくれたフォロワーの中から抽選でプレゼント企画を実施するのもありです!
  • ポイント:Z世代は社会貢献への意識が高いので、「サステナブル」というキーワードは響きやすいはず。チャレンジ企画で参加型にすることで、エンゲージメントを高めます。

なるほど…と思いつつ、正直「Z世代ってそんなに社会貢献意識高いっけ?いろんな人がいる世代なのでは?」と少し引っかかるところもありました。
もちろん、環境への関心が高い層もいるとは思うけれど、「バズる投稿ネタ」としては少し真面目すぎるかも?という印象も。

でも逆に、「そういう視点もあるんだ」と、自分では思いつかなかった切り口を提案されるのは面白いところ。こちらの好みやブランドのトンマナをもう少し伝えれば、さらにフィットした提案が出てきそうです。

“なるほど、そうくるか”という感覚と、“ちょっとズレてるかも”という違和感、その両方があって、
まさにアイデア出しの相棒とブレストしているような体験でした。


実験2:「コピーライター」に商品コピーを考えてもらった

次に試してみたのが、Gemの中でも気になっていた「コピーライター」という役割。
プロのコピーライターが横にいる感じで、商品の魅力を伝える言葉を一緒に考えてくれるというものです。

投げたPrompt

新しく発売する「牛乳」のキャッチコピーを考えてください。自然派でちょっと贅沢なイメージ、元気な牛から絞ったイメージでお願いします。

まず返ってきた文章

こんにちは!私は、あなたのブランド コンテンツ作成をお手伝いするコピーライターです。

今回プロモーションされる新しい「牛乳」について教えていただけますか?どのような特徴を持った製品でしょうか?例えば、製法や成分、ターゲットとするお客様層など、詳しく教えていただけると、より魅力的なキャッチコピーを考えることができます。

また、もしよろしければ、ターゲットとするお客様について、あなたがすでに知っていることを教えてください。

またしてもヒアリングからスタートしてくれました!!!

「製法」「成分」「ターゲット層」など、商品に対する深い理解を得ようとする姿勢が見えます。このように事前に情報を引き出すことで、よりターゲットに刺さるキャッチコピーを作成できるという意図が感じられました。

ここから返ってくる具体的な提案が楽しみですし、こういうスタンスはしっかりとしたブランドメッセージを作る上では重要なアプローチだなとも感じました。

次に出てくる提案が、どんな方向性で来るのか、期待感が高まります!

ヒアリング項目に合わせて以下のようなPromptを投げ返してみます。

成分:無調整
ターゲットとするお客様層:小さいお子さんがいる家庭

※製法については、よく知らず。。。答えられませんでした

そして返ってきた文章はこちら。

ありがとうございます。無調整で、小さいお子さんがいるご家庭がターゲットなのですね。

元気な牛から搾った、自然派でちょっと贅沢なイメージを大切に、お子さんを持つ親御さんに響くようなキャッチコピーを考えていきますね。

いくつか質問させてください。

  • この牛乳のブランドボイスやトーンについて、何かイメージされているものはありますか?例えば、親しみやすい、優しい、信頼できる、といった雰囲気でしょうか?
  • その他、この牛乳に関して特に伝えたい重要なポイントはありますか?例えば、栄養価が高い、風味が豊か、など。

これらの情報があると、より的を射たコピーを作成できます。もし、ブランドボイスやトーンについて特に決まっていないようでしたら、いくつかご提案することも可能です。

またしてもヒアリング!!!

このアプローチにはやはりプロフェッショナルを感じます。単に「贅沢なイメージ」「元気な牛」というだけでは、まだターゲット層の心に深く響くコピーは生まれないということなのでしょう。

より多くの情報を渡すことで、よりパーソナライズされた魅力的なキャッチコピーが生まれるはず。

以下のようにプロンプトを投げ返してみます。

ブランドボイス:親しみやすい、元気がある

特に伝えたい重要なポイント:栄養価が高い

最終的に出てきたコピーライトがこちら

  1. 「ゴクゴク飲んで、ぐんぐん育つ!太陽いっぱい、元気なミルク。」
  2. 「おいしさぎゅっ!自然の恵みそのまま、カラダに嬉しい無調整牛乳。」
  3. 「ママの愛情たっぷり。元気な牛さんのミルクが、笑顔を育む。」
  4. 「小さな体に、大きな栄養。自然のチカラで、すこやかチャージ!」
  5. 「今日も元気に!無調整だから、ミルク本来のおいしさが生きてる。」

どれもターゲット層であるお子さんを持つ親御さんの心にグッとくるような、温かくて信頼感のある表現が多く、全体的に温かみと元気さが同居していて、ターゲットの親御さんにとって、「子どもに安心して飲ませられる」「栄養満点で健康的」と感じさせる力強いコピーだと感じました。

全体として、とても使いやすく、親しみやすく、信頼感のあるコピーの案が出てきていると思いました!

結論:「まずは使ってみてほしい、デフォルトGem」

どれも特化型に設計されているおかげで、最初から“いい感じの反応”が返ってくる安心感がありました。いちいち説明しなくても不足している情報はヒアリングしてくれるのが地味にありがたかったです。


実は…Gemは“自分で作る”こともできます。

実はGemの醍醐味は、「デフォルトで満足できなければ、自分で作れる」というところ。

  • もっと尖ったトンマナにしたい
  • 自社用語やブランドの世界観を反映させたい
  • 特定のフォーマットでしか返してほしくない

そんな時は、カスタムGemを作成して、オリジナルの“秘書AI”を育てることも可能です。

GeminiのUI上で「新しいGemを作成」を選ぶだけで、プロンプトベースの設定ができるので、誰でも簡単に試せます。


まとめ:Gemで“ちょっと賢い相棒”を味方につけよう

マーケターにとって、Gemはまさに「痒いところに手が届くAIツール」。
デフォルトでも十分頼りになるし、育てればさらに自分好みの相棒になってくれます。

まずは気になるデフォルトGemを1つ選んで、何でもいいので話しかけてみてください。
そこからアイデアが膨らんで、「これ、自分の業務にも使えるかも」が見えてくるかと思います。

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