2024年、Googleが発表した新しい生産性ツール「Google Vids(グーグル・ビッズ)」が、今話題を呼んでいます。従来のGoogle ドキュメントやスライド、スプレッドシートに続く形で登場したこのツールは、AIを活用して動画スタイルの資料作成をサポートし、ビジネスや教育、日常の情報共有のあり方を一変させる可能性を秘めています。
この記事では、Google Vidsの基本情報から、他のツールとの違い、実際の活用シーンまで、詳しくご紹介します。
Google Vidsとは?
Google Vidsは、Google Workspaceに統合されるAI搭載の動画作成ツールです。プレゼン資料のようにスライドベースで構成されますが、出力されるのは動画。これにより、視覚・聴覚の両面から情報を伝えることができるようになります。
操作はとても簡単で、既存のGoogle ドキュメントやスライドと同じく、直感的なUIで構成されており、誰でもすぐに使い始められます。
現在は英語環境のみで提供中
重要な注意点として、Google Vidsは現在、英語インターフェースでのみ提供されています。そのため、Google Vidsを利用したい場合は、Googleアカウントの言語設定を「English(英語)」に変更する必要があります。
言語変更の手順(Googleアカウント):
- Googleアカウントの設定ページにアクセス(https://myaccount.google.com/)
- 左メニューから「個人情報」を選択
- 「ウェブ向けの全般設定」の中の「言語」をクリック
- 「English」を優先言語に設定
※優先言語を「English」にするとウェブブラウザの言語が全て英語になるのでご注意ください。
言語を変更すると、Google VidsのAI機能が利用可能になります(Workspaceアカウントが対応している場合に限る)。
Google Vidsの主な特長
Google Vidsには、従来の資料作成ツールにはなかった革新的な機能が数多く搭載されています。ここでは、代表的な特長をいくつかご紹介します。
🎥 実際にGoogle Vidsで作成した動画はこちら(サンプル)
この動画、実はスライドを並べただけではなく、AIが自動で構成を考え、ナレーションまで付けてくれているんです。
「えっ? どういうこと?」と思いますよね。私も最初は驚きました。
実は、私がやったことはたったこれだけ:
Please create a video introducing a new coffee product.
(新しいコーヒー商品の紹介動画を作ってください)
そう、この1行のプロンプトとスライドのスタイル選択だけ。あとはAIがすべて自動で仕上げてくれました。
正直、感動というより混乱に近いレベルです。
「もう、AIってここまで来たんだな」と実感しました。
それでは、ここからGoogle Vidsの主な機能を詳しく見ていきましょう。
1. AIアシスタントによる構成提案
Google Vidsの最大の魅力は、GoogleのAIがユーザーの目的に応じて動画の構成や内容を提案してくれること。例えば、「営業資料を作りたい」と入力すると、AIが最適なスライド構成やセリフ、ビジュアルを自動で生成してくれます。
2. ナレーション生成機能
自分の声を録音しなくても、AIが自然な音声でナレーションを読み上げてくれます。声のトーンや話し方もカスタマイズ可能なので、用途に合わせた雰囲気づくりができます。
3. Google Workspaceとの連携
Google ドキュメント、スライド、ドライブ、Gmailなど、すでに使っているツールとスムーズに連携できます。たとえば、Google ドライブ内の資料や画像、スプレッドシートのデータをドラッグ&ドロップで動画に組み込むことが可能です。
さらに便利なのが、プロンプト欄で「@」マークを入力することによって、他のGoogleファイルを検索・挿入できる機能です。ドキュメントやスプレッドシートなどのファイル名を入力するだけで、対象のファイルが候補として表示され、クリックで簡単にコンテンツに追加できます。
4. 簡単な共有とリアルタイム共同編集
作成した動画はGoogle ドライブ上で保存され、他のユーザーとURLで簡単に共有できます。また、Google ドキュメントやスライドと同様、複数人での同時編集も可能。チームで協力して動画を作成するのもスムーズです。
どんなシーンで使えるの?
■ ビジネスシーン
- 営業資料の動画化:顧客への提案を、ナレーション付きの動画でわかりやすく伝えられる。
- 社内研修・マニュアル:動画で残すことで、テキストだけでは伝わりづらい手順や要点を明確に。
- プロジェクト報告:グラフや図を取り入れたインパクトのある進捗報告が可能。
■ 教育・学習
- 授業の補助教材:教師が作成した解説動画を、簡単に生徒と共有可能。
- プレゼンテーション練習:学生がナレーション付きの資料を自作し、表現力を養える。
- グループワークの成果発表:共同編集機能を活かして、生徒たちが協力して発表動画を作成。
■ 日常や趣味の共有
- イベントの案内:学校行事や地域イベントの紹介を動画で行えば、注目度アップ。
- 家族・友人へのメッセージ:誕生日や記念日のメッセージを、心のこもった動画で。
他ツールとの違いは?
Google Vidsは一見、Google スライドやCanvaなどのツールと似ていますが、決定的な違いは「動画」を中心に据えている点です。
機能/ツール | Google スライド | Canva | Google Vids |
---|---|---|---|
静止資料 | ◎ | ◎ | △(主に動画) |
動画出力 | △(録画必要) | ◎ | ◎(AIが自動生成) |
ナレーションAI | × | △(Murf AIと連携が必要) | ◎ |
Workspace連携 | ◎ | △ | ◎ |
共同編集 | ◎ | ○ | ◎ |
Google Vidsはまさに「AI × プレゼン × 動画」の融合。自分で話す必要がなく、時間のない中でもプロフェッショナルな仕上がりになるのが魅力です。
提供状況と今後の展開
現在(2025年6月時点)、Google Vidsは一部のGoogle Workspaceユーザー向けに提供が開始されています。
ただし、前述の通り英語インターフェース限定の提供であるため、日本語環境のままでは利用できません。Googleアカウントの言語設定を「English」に変更して利用する点にはご注意ください。
まとめ:Google Vidsで伝え方に革新を
これまで「文章で伝える」「スライドで伝える」「会って話す」など、さまざまな伝達手段がありましたが、Google Vidsはそのどれとも違う、新しい「伝え方の形」です。
- 誰でも簡単に動画資料を作れる
- AIがサポートしてくれるので、時間と労力を削減
- 視覚+音声で、より深く相手に伝わる
特別な編集スキルがなくても、洗練された動画プレゼンが誰でも作れる時代がやってきました。
今後、ビジネスでも教育でも、「動画で伝える」がスタンダードになる未来に向けて、Google Vidsはその第一歩となる存在です。英語環境での使用にハードルを感じる方も、今のうちに試してみる価値は十分にあるでしょう。
英語環境に少しハードルを感じる方もいるかもしれませんが、それを超える魅力があります。とはいえ……やっぱり日本語対応、期待してしまします!
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