はじめに
近年、AI技術の進化により、専門知識がなくても動画を簡単に作れるツールが登場しています。特に「動画生成AI」は、テキストや画像を入力するだけで動画を生成でき、SNSコンテンツや短編アニメーション、プレゼン資料の作成に便利です。
本記事では、主要な無料で使える動画生成AIを比較・解説し、実践方法や注意点までまとめました。
動画生成AIとは?
動画生成AIは大きく分けて2種類あります。
- テキスト・トゥ・ビデオ(Text-to-Video)
文章を入力すると、その内容に沿った動画を生成します。 - イメージ・トゥ・ビデオ(Image-to-Video)
静止画をもとに動きを加え、動画にします。
これらにより、専門的な編集スキルがなくても、高品質な動画制作が可能になりました。
主要な動画生成AIと特徴
動画生成AIにはさまざまな種類があります。大きく3つに分類できます。
自動で動画を作るAI
テキストや画像から動画を生成するツール。クリエイター向け。
- Runway:短編動画の生成・編集が可能
- Pika:おしゃれでSNS向けの動画生成
- Luma AI(Dream Machine):高品質な短編動画作成
動画編集を助けてくれるAI
既存の動画編集ソフトにAI機能が統合されており、編集が簡単。
- Canva:SNS投稿やプレゼン用に便利
- Filmora:YouTubeやVlog向け
特定の目的に特化したAI
アバターやキャラクター動画など特定用途向け。
- Vidnoz AI:AIアバター動画の生成
- FlexClip:テンプレートを使ったビジネス動画
- Viggle AI:キャラクターアニメーション
無料プランの制限と比較
無料プランは試用目的が多く、制限があります。
- 動画へのウォーターマーク
- 解像度や動画時間の制限
- 無料クレジットの上限
無料プランの主要比較
| ツール | 無料枠 | 無料プラン ウォーターマーク | 無料プランの1生成の最大長 | 商用利用 |
|---|---|---|---|---|
| Runway | 125クレジット (生成したいものによって必要クレジットが割り当てられている) | あり | 5~10秒 | 可能だが著作権などの確認は必要 (詳しくは利用規約を参照) |
| Pika | 80クレジット/月 (生成したいものによって必要クレジットが割り当てられている) | あり | Pika Model 2.2:最大25秒 他の2.2モデル:5秒か10秒 | Pro,Fancyプラン:利用可 Basic,Standardプラン:不可 (詳しくは利用規約を参照) |
| Luma AI | 8videos/月 (ドラフトモードという低画質のモードのみ利用可) | あり | 最大5秒 | Plus,Unlimited,Enterpriseプラン:利用可能 Free,Liteプラン:利用不可 (詳しくは利用規約を参照) |
| Canva | 5回まで | なし | 短尺 | 生成AI利用規約に従う |
| Filmora | 体験用のクレジットが初回登録時に付与される | あり | 不明 | 個人向けプラン:不可 法人・商用プラン:可 |
| Vidnoz AI | 2分の動画/日 | あり | 2分 | 無料プラン:透かし有で可 有料プラン:可 |
| FlexClip | 体験用のクレジット | あり | 最大10分 | 不可 |
| Viggle AI | 5回/日 | あり | 1分または50MB | 不可 |
初心者でもできる動画制作の流れ
- アイデアと台本作り
- ChatGPTなどを使い、シーン構成やナレーションを作成
- 動画クリップ生成
- Luma AIやRunwayで素材を生成
- 編集と仕上げ
- CanvaやFlexClipで動画を編集、タイトルやロゴを追加
- ナレーション・字幕追加
- AIナレーションや字幕で完成度を高める
プロンプト作成のコツ
高品質な動画を作るには、AIへの指示(プロンプト)が重要です。
例
かわいい猫が、柔らかい光の中で庭を走っている。カメラは猫を追いかけ、ゆっくりパンして撮影。温かみのある朝の光で照らされている。
ポイント
- 具体的に書く:「柔らかい光」「庭で走る猫」
- 肯定的表現を使う
- 重要な要素は冒頭に書く
- 専門用語は英語のほうが精度が上がる場合も
法的・倫理的注意点
- 著作権:生成AIで作成した動画には、著作権侵害のリスクが伴う場合があります。そのため、利用や公開の前に専門家へ相談し、法的な問題がないか確認しておくことをおすすめします。
- 商用利用:ツールごとにライセンスが異なるため、無料プランで商用利用可能か必ず確認してください。
まとめ
- 動画生成AIを使えば、専門知識がなくても短時間で動画が作れる
- 無料プランは制限があるが、まずは試す価値あり
- 高品質な動画を作るには、プロンプトの作り方や編集ツールの活用がポイント
- 商用利用や著作権には注意が必要
初心者でも、まず無料プランで体験してみることが最も重要です。慣れてきたら、有料プランや高度な編集ツールに挑戦すると、より自由にクリエイティブな動画制作が可能になります。


